初心者の心得 20ヶ条

Japanese/English


  1. 刀を大事に取扱うこと。

  2. 刀の目釘(めくぎ)を常々、よく確かめおくこと。

  3. 刀の取扱い、下緒さばき等作法通り、正しく行うこと。

  4. 練習に際しては、先ず道場を清潔にし、折目正しい服装で修業すること。

  5. 道場内の坐位、序列は常に先輩順である。

  6. 上座に向い、又は上座を右にして抜刀せぬこと。上座を左方にして演武すること。

  7. 一切は敵に対する動作であること。

  8. 膝を床につくも、手をつくも、左より先にし、上げる時は右から先にすること。

  9. 帯刀した時は太刀の柄頭(つかがしら)は体の中央前、納刀した時は鍔が体の中央前にあること。

  10. 柄の握り方は、掾金(ふちがね)をよけて右手をかけ、右手小指から指二本の間隔で左手を握ること。

  11. 初心の間は十分落ち着いて業を大きく、のびのびゆっくり、業と業の間に区切りを作って行い、素早く、一連に行わぬこと。

  12. 業は一動毎に気魄と気力の締りある事を要する。熟練するに従い、業の間をつめるよう心懸けること。

  13. 歩行しての動作中は両爪先は軽く浮かす心(踵もこの心)にて踏み、前後の踏み開いた時の後足の踵はあまり高くあげぬこと。

  14. 抜刀、納刀共に鞘手(左手)を十分に働かすこと。

  15. 表の働きは裏の力、眼に見える所の働きは、見えぬ力の表現である。道の修養の根幹は、表に現れぬ所に着眼して、内の正しい動きの完成を期する修養であること。

  16. 息を吐く時の心身の体は、息を吸いこむ時の心身の体はである。動作中、虚、実、業と業との呼吸の間を覚えること。

  17. 刀に使われてはならない。自分の体の元として剣を使うこと。

  18. 足至り体至り刀至るの順を誤らぬこと。

  19. 抜打ちから、最後の斬下しまで、その運剣は渋滞してはならぬ。

  20. どんな場合でも残心(ざんしん)を忘れてはならない。特に斬り下して、血振り、納刀、終わって元の位置にもどる迄、残心を怠らないこと